ゴッホ〜最後の手紙〜 という映画を見に行きました。
きっかけは油絵がアニメのように動くという技法が
twitterで評判だったからです。
「ゴッホ 〜最期の手紙〜」が全米1館で限定公開され、2.4万ドルのヒット。実写で撮影した映像をベースに125名の絵描きが計65,000枚の油絵を描き上げ、世にも珍しい動く油絵映画が誕生。11月3日より日本公開される。pic.twitter.com/7iejowJORb
— 映画情報 オスカーノユクエ (@oscarnoyukue) 2017年9月25日
見に行ってみるとゴッホに詳しくなくても楽しめる、
サスペンス要素のあるストーリーがとても面白く
一度では理解しきれないところもあり二度見に行ってしまいました。
今回は感想とおすすめポイントをまとめてみました。
ざっくりストーリー紹介
アルマンという青年が父ジョゼフの頼みで
「友人フィンセント(ゴッホのこと)が自殺する前に弟テオに宛てた手紙を
テオ本人に届けて欲しい」と依頼されるところから始まります。
このアルマンという青年は
やりたいことも見つからず喧嘩三昧の毎日をおくっており、
初めはこの依頼もイヤイヤ引き受けるのですが、
ゴッホ所縁の地を巡りいろんなひとからゴッホの噂を聞いているうちに
自殺の謎にせまっていく…という内容です。
おすすめポイント3つ
- ゴッホを知らなくても楽しめる!
私は正直この作品をみるまでゴッホの印象は
「耳を自分で削ぎ落とし、銃で自殺した油絵芸術家」という
一般的な知識しかもっていませんでした。
しかし上記のようにこの映画、きちんとストーリーがなりたっています。
アルマンが初めは「父の頼みで仕方なくやっている」というところから
「僕の友人の死の真相を知りたい」と言い出すほどの成長物語にもなっているので
話が進むにつれてワクワクしますし、最後のオチには感動してすっかりゴッホの
魅力に目覚めてしまいました。 - 油絵が本当に動いている
油絵というといろんな技法がある書き方の一種ですが、
この作品は100人以上の画家による6万枚以上のカットで
つくられており、かつどのシーンもゴッホのあの濃厚な
筆のタッチが生かされた再現がされているのです。すごすぎる。
実写でもない、アニメでもない斬新な映像が楽しめるのです。
どのシーンも美しすぎて目が離せないので目が疲れてしまうかも。 - ゴッホが好きならもっと楽しめる!あらすじでも紹介したアルマンという青年、父親のジョゼフ、
他にもゴッホが過ごした街アルルでも様々な登場人物が出て来るのですが
そのほとんどがゴッホの人物画からそのまま抜け出してきたヴィジュアルになっています。
それだけでなく背景もゴッホの作品がそのまま使われているような演出。ファンであれば、「あ、この人あの作品の人物だ!」とか
「このシーンはあの教会のあの場所だ」とかすぐにわかると思います。
トークセッションで知ったこと

2回目の鑑賞は阿佐ヶ谷の
おしゃれな映画館「ユジク阿佐ヶ谷」という場所だったのですが
たまたま行った回にトークセッションタイムが設けられており、
一緒に見た人と感想を言い合ったりしました。
そこにはゴッホに興味がありアルルまで観光で行かれた方がいらっしゃり、
劇中に出てきた教会やカフェがまだ実在することや
フィンセントとテオのお墓がひっそりと隣同士に
建っていることなどを教えていただきました。
またゴッホの作品に使われている
コバルトブルーとクロームイエローは当時貴重な絵の具だったとのこと。
フィンセントの画家としての活動費は全てテオが支えていたという
有名なエピソードに基づくと、兄弟愛が垣間みえますね。
感想まとめ
この映画はフィクションではありますがゴッホの作品を通して
丁寧に自身の生い立ちに沿って描かれており、
死因に関して謎の多いゴッホにより興味が湧きました。
そして何よりゴッホの作品の素晴らしさ・美しさに改めてびっくりさせられました。
本当の真相はどうであれ、フィンセントが何の苦労もなく
恵まれた一生をおくっていたらあの数々の作品は生まれなかった。
生前は画家として評価されなかったフィンセントが
どういう気持ちで毎日絵を描いていたのか。想いを馳せると切なくなります。
何度見ても新しい発見がある美しい映画でした!