雲水 第一回公演 レンコン 観劇レポート&感想

先日行った素敵な舞台を紹介します。

TEAM雲水 第一回公演「レンコン

TEAM雲水とは

数年前とある舞台で共演して以来親交を深めてきた、
事務所も年齢もバラバラの四人組(たまに六人)の俳優ユニット。
簡単に主観的メンバー紹介させてもらいますと。。

小野 賢章

俳優としてより声優のイメージの方が一般的には強いかもしれません。
子役から活躍していたこともあり落ち着いた安定感のある演技、
空気の読めるしっかり者ポジションに位置している(と私は思っています)。
愛称はけんしょー先生

岸本 卓也

見た目はイカついですが中身は熱く、ふざけるときは
率先してふざける雲水内の良い兄貴分ポジション
この人のお芝居は見るものを惹きつける説得力がある(と私は思っています)。
クサい演技がよく似合う昭和の香り。
愛称はきしたく

寺山 武志

笑いに愛され笑いを愛す男。お笑い芸人ではないですが
彼のしぐさ、言葉選び全てがセンスに溢れています。
それでいてわざとらしく笑いを狙いに行っていない素朴さが最大の魅力。
自然と人を惹きつける天性の持ち主(と私は思っています)。ダンスはプロ並み
愛称はテラさん

早乙女 じょうじ

彼らが出会ったきっかけの舞台で部長を演じていたためか
なんとなくまとめ役のようなイメージ。ほどよいツッコミと見守り役
知的な役もギャグポジションもこなし彼が舞台上にいると
安心感が生まれる(と私は思っています)。
愛称はじょーくん

この四人がレギュラーメンバーで、ここにたまに参加するのが

元木 聖也

運動系バラエティで大活躍するレベルの
類稀なる身体的能力の持ち主。
内面は非常にほんわかしておりメンバーのトークを
誰よりも爆笑しながら見ている。THE マイペース
愛称はせーや

柾木 玲弥

最近TVドラマ界で注目されつつある天才肌の最年少
忙しい彼ですが雲水の活動は常にチェックし
スケジュールが合えば活動にも参加する。
自他共に認める人見知りだが
寺山さんへの心の開き方がはんぱじゃない
愛称はれーや

この年少組の二人。長くなりました。

どんな活動をしてるの?

彼らは定期的にファンミーティングとして
コントや即興劇などを企画していましたが、
今回満を辞して本公演の上演が決定!

この雲水に所属する俳優さんたちはみんな個性豊かで
メンバーの仲が良く、本当に面白いひとたちなので
今回本公演ということで真面目に演技が見られると思い、
(ふざけてるときも大好きですが)楽しみにしておりました。

今回はそのレポートと色々感想をかきたいと思います。

公演の内容

タイトル=「レンコン」。恋愛コンプレックスの略だそうです。
作品の設定としては

少子高齢化対策として建てられた国営の婚活施設が舞台。
四人1組になり、料理なゲーム、スポーツなどを通して
大人数の男女が交流を図りながら五日間の共同生活を過ごす。

(こんなあいのりみたいな施設本当にいつかできそうだな。。)
そこで知り合った一見普通に見える四人の男。
しかし彼らは人には言えない恋愛コンプレックスを抱いていたのであった。。

こんな感じ。なさそうでありそうな身近な設定で感情移入できそうな予感。

登場人物は四人

東山(寺山さん)…ごくふつうの20代後半サラリーマン。
空気が読めて誰とでもうまくやっていけるタイプ。

南乙女(早乙女さん)…外資系に務めるいわゆる「意識高い系」30代男性
仕事をしてないと落ち着かない

北本(岸本さん)…バンド活動でデビューを目指す夢を追いかける30代男性
恋愛には肉食だが口が悪い

西野(小野さん)…人と極力関わるのを避けひたすらゲームばかりの20代前半男子

役名が彼らの本名ともじられてるんですね

ストーリー(ネタバレ)

この四人、強制的に共同生活を強いられる中でだんだんと
歪んだ素が出てきてしまいぶつかりあうことになります。

東山…幼いとき両親を亡くし親戚の家を転々とする。
誰かに好かれるのは誰かに嫌われること。
自分の意見を持たず誰かに合わせながら生きてきた。
誰かと深く関わりあうのが苦手でそういう関係になることから避けてきたので
他人への心の開き方がわからない。自分が何をしたいのかもわからない。

南乙女…同棲していた彼女がいたが仕事が忙しくなりすれ違い別れた。
その後もたくさんの相手と付き合ってきたが女性特有の言動に嫌気がさし長続きがしない。
その時の経験から女性の分析に基づく自論が得意。
海外出張でドガのブロンズ像に衝撃を受け心酔。人形を愛する性癖をもってしまった。

北本…バンド活動を本気でやっていたが長年連れ添った彼女と別れて以来
曲が一切書けなくなってしまった
バンド活動が一番やりたいことでそのために生きているはずなのに。

西野…オープンワールドのゲーム内でコミュニティを築き、
童貞でありながら既婚で子持ち
将来世の中はVRの次元と入れ替わり、老化していく体に支配されることのない、
魂でのコミュニケーションで人間は生きていくことになると信じている。

…うーん。こじらせてますね。みんな。
でも現代なら誰しもこの四人に近い悩みを抱えてるんじゃないかって
思ったりもします。

 印象に残ったセリフ3つ

「社会的に認められていない価値観に何の意味もありません」

この施設の監視人である四方田さんという女性が西野くんに言った一言。
西野くんは、結婚してるっていってるのに(ゲーム内でだけど)、
無理やり婚活させられて完全に心を閉ざしています。
本当にゲームの世界がいつかこの世の中を支配すると信じているんですね。
でもそんな意見すら、社会的にはマジョリティーであるというだけで
真っ向から否定されています。
「人と違う」というだけで「悪」であるかのような扱い。。
考えさえられるセリフでした。

「今は人の悩みも考えも簡単に知ることができる」

これも同じく四方田さんが東山くんに言った言葉です。
昔はSNSなんてなかったから自分の悩みが抱えきれなくなったら
誰かに話すしか手段がなかった。
でも今は周りに情報があふれていて解決することも、
安心することも簡単にできてしまう。

だからこういう情報から遮断された施設での
共同生活で自分を知ることが大事だと。
この婚活施設は舞台のオリジナル設定ですが、
確かに周りの意見が簡単に手に入りすぎると
自分と向き合う必要がなくなってしまって、
自分というものを見失ってしまうのかも。。と思いました。

「そうやって東山くんが必死に合わせてきた人たちは、今東山くんの周りにいますか?」

これも四方田さんの言葉です。(全部四方田さんだな!!!)
東山くんは意見や態度を周りに合わすことで自分を作ってきました。
それは誰にも嫌われたくないから。
でもそうして作った自分の周りには結局誰もそばにいないんですね。
嫌われたくないということは好かれもしない。
自分の意見がなく自分が何をしたいのかも分からない。

その気持ちには個人的にすごく親近感を持ちました。
嫌われるのは怖いけど、それを恐れて自分を隠していたら
いつまでたっても本当の自分を大切にしてくれる人とは出会えないんですよね。

感想まとめ

一見現代の婚活をテーマにおもしろおかしく繰り広げられる
コメディかと思いきや、とんでもない。

自分にも思い当たる節があるような、
現代にありがちな若者の心の闇にスポットをあてた
メッセージ性のある舞台でした。

雲水のメンバーは自然な演技が本当に上手で、
「こんな男子いるいる〜!」って思ってしまうような、
自然と自分がその施設に一緒にいるかのような錯覚を感じました!
面白かったです。本当に。そして考えさせられました。。

今回のタイトル、レンコンとは恋愛コンプレックスの略と書きましたが、
実はもう一つテーマが隠れていたんです。

劇中で東山くんが野菜のレンコンのことを話すシーンがありました。
レンコンは縁起のいい野菜。それは穴から先を見通せるから。

登場人物の四人は最終的に連絡先を交換し施設を出ました。
本当に心が通じ合い、未来を見つめなおすことができたんですね。

そしてこの演劇ユニット雲水としても立派な第一歩を踏み出し、
幸先のいいスタートがきれた第一回公演だったと思います。
これからも雲水を応援していこうと思えた素敵な舞台でした!